ヨウ素 ペロブスカイト太陽電池

千葉の天然ガスから採れる世界2位のヨウ素、次世代太陽光パネルの切り札に⁉︎

【千葉外房 trivia トリビア】その1

うがい薬で見かける茶色い液体ヨウ素。次世代太陽光パネルの材料として注目されています。

次世代太陽光パネルの代表格であるペロブスカイト太陽光パネルは、有機物と無機物からなる化合物半導体を用いた太陽電池です。ペロブスカイト太陽光パネルは、従来のシリコン系太陽光パネルに比べて、製造コストが安く、軽量で曲げることができるなどのメリットがあります。

日本は、ヨウ素の産出量世界第2位で、ヨウ素を用いたペロブスカイト太陽光パネルの製造技術の開発を進めています。そのヨウ素、千葉県の水溶性天然ガスに豊富に含まれ、産出量1位となっていて、日本の約80%を占めています。そして、千葉県のヨウ素は、主に千葉県の外房地域、茂原市や長生郡、九十九里浜沿岸の地域に多く埋蔵されています。

この地域は、約250万年前から50万年前にかけて、海底にあったため、大量の海藻や貝類などの生物が堆積していました。これらの生物から溶け出したヨウ化物イオンが、地殻変動や火山噴火などの影響を受けて、地層中に濃縮され、ヨウ素として埋蔵されたと考えられています。

ヨウ素を用いたペロブスカイト太陽光パネルは、再生可能エネルギーの普及に大きく貢献することが期待されています。
また、この日本で開発された、ペロブスカイト太陽電池は、ノーベル化学賞の有力候補でもあるんです!

睦沢町の「道の駅むつざわ 温泉つどいの湯 では、そんなヨウ素を豊富に含んだ太古の化石海水「かん水」を地場産天然ガスで温めた#天然温泉♨️が楽しめますよ。
(text:Kazuko)

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2022年末現在、世界のヨウ素産出量は、年間約34,000トン。2021年の33,000トンから約3.0%増加。

世界のヨウ素産出量の順位
1位 チリ(約19,000トン)
2位 日本(約9,400トン)
3位 トルコ(約2,000トン)
4位 アメリカ(約1,800トン)
5位 中国(約1,700トン)

千葉県は、水溶性天然ガスの産出量日本1位でもあり、日本全体の約50%を占めています。

日本の水溶性天然ガス産出量の順位(構造性天然ガスは新潟県が8割、天然ガス全体では、新潟県が1位)
1位 千葉県(約12億立方メートル)
2位 新潟県(約8億立方メートル)
3位 北海道(約3億立方メートル)
4位 秋田県(約2億立方メートル)
5位 宮崎県(約1億立方メートル)

(出典)
総務省統計局「世界の統計2023」/国際連合工業開発機関(UNIDO)「Industrial Statistics Yearbook 2022」

※2024年【千葉外房トリビア(豆知識)】始めました。
外房や千葉の意外と知られていない、あれこれを調査してお届けする予定です。(Kazuko)