出典:国立天文台、自然科学研究機構 国立天文台 クレジット:国立天文台提供 国立天文台
National Astronomical Observatory of Japan、NAOJ/NINS、Credit: NAOJ、Courtesy of NAO
ほしぞら情報2022
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2022/
2022年1月
2022年注目の天文現象は、しぶんぎ座流星群で幕を開けます。今年は月明かりの影響もなく、たいへん良い条件で観察ができると予想されますが、しぶんぎ座流星群のピークは短時間であるため、事前の予習が大切です。1月の前半は、日の入り後の南西の低空に水星、土星、木星が見えています。4日から6日にかけてこれら3惑星と月の接近が楽しめます。また、7日に東方最大離角となる水星も見つけやすくなります。18日の満月は、2022年で地球から最も遠い満月です。
カレンダー
1日 | 元日 |
3日 | 新月 |
4日 | 地球が近日点通過/6時頃、しぶんぎ座流星群が極大(見頃は4日未明。1時間に50個程度。月明かりがなく大変良い条件。流星数は当たり外れが大きい) |
5日 | 小寒(太陽黄経285度) |
7日 | 水星が東方最大離角 |
9日 | 金星が内合 |
10日 | 成人の日/上弦 |
14日 | 水星が留 |
17日 | 土用の入り(太陽黄経297度) |
18日 | 満月(2022年で地球から最も遠い満月) |
19日 | 天王星が留 |
20日 | 大寒(太陽黄経300度) |
23日 | 水星が内合 |
25日 | 下弦 |
29日 | 金星が留 |
惑星
水星
上旬から中旬にかけては、日の入り後の西の低空に位置しています。7日に東方最大離角となり、東京では7日から11日の間、日の入り30分後の高度が10度を超え、観察しやすくなります(他の地域でも大きな違いはありません)。7日から11日の明るさはマイナス0.6等からマイナス0.3等。その後徐々に高度が下がり、23日に内合となります。内合以降は日の出前の東の低空に位置するようになります。
金星
上旬は日の入り後の西の低空に位置していますが、9日に内合となり、以後は日の出前の南東の低空に位置するようになります。このころは見かけの位置が太陽に近く、観測は難しいのですが、下旬になると日の出30分前の高度が10度を超えるようになり、目に付きやすくなるでしょう。明るさはマイナス4.2等からマイナス4.8等。
火星
へびつかい座を東に移動し、下旬にはいて座に移ります(順行)。日の出前の南東の低空に見え、明るさは1.5等から1.4等。
木星
みずがめ座を東に移動しています(順行)。日の入り後の南西の空に見え、明るさはマイナス2.1等。
土星
やぎ座を東に移動しています(順行)。日の入り後の南西の低空に位置していますが、下旬になると見かけの位置が太陽に近くなり、観察は難しいでしょう。
2022年2月
明るい星の多い冬の星座たちが、日の入り後、暗くなって間もない空を彩っています。夜が更けると、しし座や北斗七星など、春の星たちが東の空を占めるようになります。
夕方の西の低空に木星が見えます。未明の東の空には、13日に最大光度となる明るい金星と、そのそばに火星が見えます。 2月3日、細い月が夕方の空で木星に接近します。月は27日、28日には明け方の空に移動し、金星と火星に接近します。また2月は、見る機会の少ないりゅうこつ座のカノープスを見るのに良い時期です。短い時間だけ南の空の低い位置に現れるカノープスを探してみましょう。
カレンダー
1日 | 新月 |
3日 | 節分 |
4日 | 立春(太陽黄経315度)/水星が留 |
5日 | 土星が合 |
8日 | 上弦 |
11日 | 建国記念の日 |
13日 | 金星が最大光度 |
17日 | 満月/水星が西方最大離角 |
19日 | 雨水(太陽黄経330度) |
23日 | 天皇誕生日 |
24日 | 下弦 |
惑星
水星
日の出前の東の低空に位置しています。17日に西方最大離角となりますが、日の出30分前の高度は10度もなく、観察は難しいでしょう。
金星
日の出前の南東の低空に見えています。13日に最大光度となり、このころは昼間の青空の中でも金星を見つけやすくなります。最大光度前後の金星の明るさはマイナス4.9等。
火星
いて座を東に移動しています(順行)。日の出前の南東の低空に見え、明るさは、1.4等から1.3等。
木星
みずがめ座を東に移動しています(順行)。日の入り後の南西の空に見え、明るさはマイナス2.1等。
土星
やぎ座を東に移動しています(順行)。日の入り後の南西の低空に位置していますが、下旬になると見かけの位置が太陽に近くなり、観察は難しいでしょう。
2022年3月
3月に入り、これまで昼よりも夜の時間が長かったものが、春分を前にして逆転します。日に日に早まる日の出の前、明け方の空で「明けの明星」金星が、非常に明るく輝いています。太陽から見かけ上最も離れる西方最大離角となりますが、高度はあまり高くなりません。中旬から下旬にかけては、金星に火星や土星が近づきます。月末には、これらの惑星たちに、新月に向かう細い月が並んで見られます。いずれも、比較的空の低い位置での現象であるため、観察には見晴らしの良い場所が適しています。
カレンダー
3日 | 新月 |
5日 | 啓蟄(太陽黄経345度)/木星が合 |
10日 | 上弦 |
13日 | 海王星が合 |
18日 | 彼岸の入り/満月 |
20日 | 金星が西方最大離角 |
21日 | 春分の日/春分(太陽黄経0度) |
25日 | 下弦 |
惑星
水星
日の出前の東の低空に位置していますが、高度が低く観察は難しいでしょう。
金星
日の出前の南東の低空に見え、20日に西方最大離角となります。明るさはマイナス4.7等からマイナス4.4等。
火星
いて座を東に移動し、上旬のうちにやぎ座に移ります(順行)。日の出前の南東の低空に見え、明るさは1.3等から1.1等。
木星
みずがめ座を東に移動しています(順行)。月初は日の入り後の西の低空に位置していますが、5日に合となり、以後は日の出前の東の低空に位置するようになります。見かけの位置が太陽に近く、観察は難しいでしょう。
土星
やぎ座を東に移動し(順行)、日の出前の南東の低空に位置しています。下旬になると高度がやや高くなり、見つけやすくなります。明るさは0.8等。