BOSO Circular Economy

房総サーキュラーエコノミー推進協議会

Fujiリペア

特集 “CEプロフェッショナルズ” 第1回 Fujiリペア 近藤勝茂さん

大網白里市
マップ&リストN0.004
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取材:協議会事務局・杉田基博

房総サーキュラーエコノミー推進協議会(協議会)は、日々楽しみながら、格闘しながら、サーキュラーエコノミー(CE=循環経済)に取り組んでいらっしゃる専門家の方々の仕事場を訪ね、お仕事や考え方について取材していきます。
 
第1回は、大網白里市で家具修理と販売を手掛けていらっしゃる、Fujiリペアの近藤さんを訪ねました。
2016年に開業した近藤さんは以前、冨士ファニチア株式会社(本社:徳島県)に勤め、関東で営業を担当していました。
日々お客さまと接するなかで、修理して長く使い続けたいという声を聞き、メンテナンスニーズの高さを実感されたそうです。

会社を退職する際、近藤さんは社長に「家具のメンテナンスを仕事にしたい」と話したところ、社長から工場での研修を許され、半年間アルバイトしながら家具づくりと修理法を学びました。
「いい家具を長く使ってほしい」という冨士ファニチア株式会社だからこその待遇だったようです。
その後、近藤さんに続いて後輩も1人、家具メンテナンスの道に進んだそう。
Fujiリペア
Fujiリペア

40年以上使用して生地が破れ、木の接合部分が緩んでいましたが、廃棄するのはモッタイナイため、Fujiリペア 近藤さんに修理していただいたダイニングチェア(左:ビフォー/右:アフター)。近藤さん曰く、かねてより良質の木材を生産している、天領・飛騨高山地区の木材を使った椅子だそう。

家具修理ならではのご苦労について聞きました。
「お客さまがお持ちの家具は、1件・1件異なること。また、長期間使用された家具が多く、修理中に新たな問題が発覚することも多く、対応に時間がかかってしまうことがあります」

お客さまの傾向としては、長年使われた家具の修理を依頼される、高齢の方が多いそうです。
修理した家具をお客さまに引き渡す際に、「まるで新品のようだ」「思い入れのある家具が修理されて嬉しい」「再び長く使い続けることができる」といった声を聞くことが、家具修理の喜びだそう。

将来の展望について聞きました。
「今は修理が中心ですが、家具のリユース市場を開拓したいです。不要になった家具を引き取り、手直しして再販するサイクルをつくりたいです」
古物商の免許を取得し、CEコマースの展開を見据える近藤さんですが、家具は実際に座るなどして確かめる必要があるため、ショールームも必要、と考えていらっしゃいます。

近藤さんは、千葉市以南を主な商圏としていますが、家具リペア業は、知っている限りでは数が少ない業種、と話します。
お客さまから預かった修理前の家具が部屋一杯に置かれ、一年中仕事の依頼が途切れることがない、とのことですが、社員を雇用する予定はないそうです。
家具修理に対する興味関心は、長年現場に立って初めて醸成され、そこから知識として蓄積される、といった経験が必要だからだそう。

自社製品のアフターサービスとして、家具のリペアに取り組んでいる企業はありますが、企業活動の目的が製造・販売し続けることでもあり、リペア業者の育成は、進んでいないようです。
量産品を製造していれば、どの業界も同じ状況、と言えますが、高騰する資源エネルギー、人手不足による優良な国産木材等の不足、限界に達するゴミ処理等を考えると、循環の輪をつなげてくれるCEプロフェッショナルズを、社会全体で応援することが必要ではないでしょうか。
使わなくなった家具を回収する機能。それらを修理して展示販売するショールーム機能など、協議会としてお手伝いできるチャンスを探していきたいと思います。
皆さまの参加ご協力をお待ちいたしております。
 
Fujiリペア
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